歯の一生について

歯は一度削ってしまうと二度と元には戻りません。

虫歯になってしまい、保健治療での治療を選択して虫歯を除去すると、その部分にコンポジットレジンという樹脂の詰め物や部分的な銀歯を詰めて処置しますが、数年後には二次的な虫歯になってしまい、虫歯が神経まで到達してしまい、神経を取らないといけなくなります。

神経の中に血管が通っており、それによって歯に血液が供給されているのですが、神経を取ってしまうと血液供給が無くなってしまい、歯が脆くなり噛み合わせの力によって歯根が割れてしまいやすくなります。

歯根が割れてしまうとその歯は抜歯するしかありません。

これが保険治療により起こりうる歯の一生です。

 

日本の保険治療は素晴らしい制度ですが、歯科治療に関していうと健康で文化的な最低限度の生活を送れるようにするための最低限度の治療しかできないのが現状です。詰め物を詰めて歯の形はある程度再現されますが、保険治療でできることは限界があるため、一度削った歯は二次的な虫歯になりやすく、必ず数年後に再治療が必要になります。

そもそも虫歯を除去して詰め物を詰める処置は対症療法であり原因療法ではありません。虫歯の原因は磨き残しの歯垢の中にいる細菌によるものなので、細菌がいなくなる口腔内環境を作ることが原因療法となります。

つまり虫歯は細菌感染症なのです。

細菌がいない口腔内環境を作るために、歯並びが悪くブラッシングが難しい人は矯正治療を検討したり、フロスやタフトブラシといった補助器具を用いた清掃が必要になります。

また、間食が多い人は糖分が細菌のエネルギー源となり細菌が歯を溶かす毒素を産生しやすくなります。こまめに歯を磨く習慣がないと歯の表面に細菌がずっと滞在してしまいやはり毒素により虫歯になりやすくなります。

自分の歯を健康に保つためには、虫歯は細菌感染によって起こるものと理解していただき、普段の食事習慣や歯磨きのやり方や回数、歯並びの状態といった部分から高い意識を持っていただかなければならないことを知っていただけたらと思います。

 

 

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